校内定期考査の過去問

私が都内公立中学の教員だった頃、同僚から、こんな話を聞きました。

 

「A区立B中学からC区立D中学に異動したら、大手塾が私の過去問を持っていて『中学名』でなく私の個人名』で管理していることが分かりました。勿論、同一問題は作成しないので、問題はありませんが。」(社会)

 

「定期考査問題は他校の教員と既出問題をプールし、そこからピックアップして作成しています。」(英語)

 

 ここで読者の皆さんに少し解説したいことがあります。教員が所属する研究団体は色々あります。私は現役時代、東京都中学校社会科教育研究会の会員であり、その全国組織である全国中学校社会科研究会の会員でした。

 

 そうした大きな団体の他に、小さな研究団体や交流団体があります。教員の研究対象は授業案の作成と教材作りであることが多いのですが、試験問題作成に特化した研究団体もあるようです。先ほど、紹介した事例は試験問題を作成し、生徒の解答を分析し、より良い試験問題を作成することを目的とする団体に所属する同僚の話です。

 

 本ブログの読者は受験生や、その保護者の方が多いかも知れませんが、中高の校内定期考査で良い点を取るために、過去問演習ばかりするのはお勧めできません。教科書、ワーク、プリントなどのエッセンスを身に着ければ、過去問演習は不要かも知れません。

 

 

 本校は横浜時代に、近隣の公立中学の過去問をコピーし、生徒に解かせましたが、基礎力がないまま過去問演習ばかりしても、点数は伸びませんでした。また、校内定期考査のレベルを気にしていると、入試レベルに届きません。

 

 例えば、高校入試の数学は20以上の単元から出題されます。校内定期考査は1単元か2単元なので、比較になりません。英語も長文の長さが違うので、入試で、時間内に読み切れるかどうか心配があります。また、英文も教科書から出ることが多いので参考になりません。

 

 国語も初見の長文が出ますし、理科・社会は全分野から出題されるので、校内定期考査ばかり見ていると、外で通用しないのです。

 

 都立高校入試は1000点満点で合否が決まりますが、5教科の筆記試験で700点です。残りの300点が内申ですが、オール1でも60点になります。オール5で300点なので、オール1とオール5の差は240点となります。つまり、筆記試験で逆転可能です。

 

 さらに、現実問題として、オール1の生徒とオール5の生徒が同一高校を目指すことは

考えにくいのです。オール3とオール4なら、あり得ます。その差は1000点満点の

うちの60点です。700点満点の筆記で容易に逆転すると思われます。

 

 オール3の受験生がオール4を目指すのと、5教科の筆記試験で1割プラスするのと

どちらが容易かという話になります。